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院内における血液細胞処理のための指針の概要
要旨: 日常診療として行われる造血幹細胞移植にかかわる細胞の処理(赤血球除去,血漿除去,凍結,解凍など)に対するガイドライン(“院内における血液細胞処理のための指針”,以下“指針”)が,わが国ではじめて作成された.この“指針”は,欧米の細胞プロセシングのガイドラインである“FACT−JACIE Standards, 3rd edition”をもとに,わが国の実情に合わせて簡素化され,作成された.この“指針”を順守することによって,細胞製剤への汚染を防ぎ,高い品質の細胞製剤を製造することができる.また,製造された細胞製剤に不備が生じた場合には原因を調査することも可能である.“指針”には細胞処理の一般的事項,赤血球除去,血漿除去,細胞の凍結などに対する作業手順書が添付され,どの施設でも利用できるように便宜が図られている.
輸血関連急性肺障害(TRALI)の病態解明と対策
要旨: 輸血関連急性肺障害(TRALI)は輸血に伴う重篤な副作用のひとつである.輸血に伴う副作用で死亡する患者のなかで TRALI によるものが多くを占めていることが判明してきており,対策が喫緊の課題となってきている.製剤中に含まれる白血球抗体(HLA 抗体,HNA 抗体など),活性脂質(Lyso PC)などの生理活性物質と患者側の素因が TRALI の発症に関与していることが徐々に明らかになってきている.原因のひとつである白血球抗体は経産婦の血液に含まれることが多いため,血漿成分を多く含む製剤やその一部(新鮮凍結血漿,プール血小板製剤の浮遊血漿)をできるだけ男性由来の血液から製造するという対策が,血液の供給にそれほど支障なく簡便であることから,イギリスをはじめとして欧米各国で導入され,TRALI の予防に一定の効果をあげている.日本でも血漿製剤については同様の取組みが行われつつある.しかし,血小板製剤をすべて成分献血から製造している日本では,女性由来の血小板製剤を製造しないことは血小板製剤の供給不足に陥る可能性が高く,あらたな対策が必要となってきている.
輸血関連急性肺障害(TRALI)の病態解明と対策
要旨: 貧血は癌患者の 40〜50%に存在する.その原因はさまざまであり,腫瘍からの出血に伴う鉄欠乏性貧血をはじめ溶血性貧血,および鉄利用障害や栄養障害,腫瘍細胞の骨髄浸潤による赤血球産生抑制のほか,癌化学療法による造血幹細胞障害や内因性エリスロポエチン(EPO)産生低下などが考えられる.貧血は患者の QOLを悪化させ予後にも悪影響を与える.癌化学療法時の貧血や血小板減少に対して輸血療法が唯一の治療法であり,その場合は血液製剤の使用指針に準じ,不必要な輸血を避け適正輸血を行う.貧血の改善を図ることで癌患者の QOL 向上が期待されることから,貧血の治療を積極的に行う必要がある.わが国では現在保険適応がないが,癌化学療法時の貧血に対して EPO 製剤の投与は有効であり,治療ガイドラインに準じて使用することで,血栓症などの合併症のリスクを高めることなく,同種血の回避が可能となる.近い将来,EPO 製剤が使用可能になることを期待する.
輸血療法委員会による適正な輸血療法の推進―患者に質の高い輸血医療を提供するために
要旨: 輸血療法の実施体制を安全なものとし,献血由来の貴重な輸血用血液製剤を有効利用するために,院内輸血療法委員会の活動には大きな期待が寄せられる.とくに平成 18 年(2006)4 月より輸血管理料があらたに設けられ,これを機会に輸血療法委員会を立ち上げた施設も多い.しかし,具体的な活動方針や活動内容について手探り状態の施設も見受けられる.本稿では委員会活動が真に有効となるために必要な点について述べる.
輸血療法の有害事象の検索:ヘモビジランス―その現状と将来
要旨: ヘモビジランス(輸血の安全監視体制)とは,「献血者の選択から患者の追跡調査に至るまでの輸血の全過程を前向きに監視することによって,有害および未知の事象を検出し,その原因を分析・評価し,必要な対応策を示しあるいは事前に警告を発する等によって有害事象の再発および被害の拡大を防ぐこと」である.2008年より“日本における輸血副作用のサーベイランスシステムの構築”研究班で,Web を介した施設格差のない信頼性のある輸血副作用の全数管理システムの整備を開始した.2010 年から大学輸血部 34 施設があらたにサーベイランスに加わった.今後,サーベイランス参加の医療機関が全国へと拡大することで,これまで自発報告に基づくサーベイランスを行ってきた日本赤十字社の事業を補完することができる.こうした基盤整備は世界の標準にもマッチしており,日本の輸血副作用の完全な把握につながり,輸血医療に対する行政と血液の安全性確保に貢献するものである.
輸血用血液の廃棄削減―社会の財産としての血液
要旨: 日々の医療において輸血用血液はつねにある程度の余裕をもって準備されている.そのため,一定の廃棄が発生することはやむをえない.そのようななか,血液センターの事業目標は過不足のない供給であり,最近の血液センター内の赤血球製剤,血小板製剤の廃棄率は 1〜2%となっている.また,医療機関でも廃棄削減の努力がなされており,赤血球製剤の平均廃棄率は 5〜6%と低下傾向にある.しかし,院内の血液管理体制が整備されつつある大病院においても血液の廃棄率には格差があり,今後も改善の余地がある.また,中小病院では血液管理体制の整備だけでは廃棄削減に限界があり,病院間転用を行うことが解決策となる.そのためには院内だけでなく病院間での取り決めづくりや連携が重要な問題となることから,輸血医療に携わる人びとがたがいに協議していくことが必要である.
輸血実施管理体制―輸血療法に関する全国アンケート調査
要旨: 日本輸血・細胞治療学会などが毎年行っている輸血医療の総合アンケート調査について,輸血管理体制や輸血療法実績に関する項目を中心に分析した.輸血療法委員会,輸血業務の一元管理体制,輸血副作用の報告体制などは,大・中規模の病院での高い整備率に対して小規模病院では相対的に低かった.また,輸血検査の24 時間体制や輸血用血液のコンピュータ管理システムは小規模病院での導入率が顕著に低かった.アルブミン製剤の使用状況を把握している施設は 2006 年以降急速に増加し,2009 年に輸血管理料は全体の約 35%の医療機関で算定されていた.病床数当りの濃厚赤血球(RCC),新鮮凍結血漿(FFP)や濃厚血小板(PC)使用量はいずれも病床規模が大きい医療機関が多い傾向を示し,2008〜2009 年にかけてはそれぞれの製剤使用量が増加した.一方,赤血球製剤の廃棄率は輸血担当技師が認定輸血検査技師の資格を有している施設において低く,管理体制の質も適正使用に影響することが示唆された.以上の状況を踏まえて輸血管理体制のさらなる向上に努めることが重要である.
輸血医療と各臨床領域との連携
要旨: 総合医学である輸血医療は,関連する研究領域で得られた英知を年間 80〜100 万人の患者に応用実践している.500 万人の献血者と安全な血液を製造供給している赤十字社をなくして輸血医療は成立しない.加えて,輸血療法の実施に関する指針(厚生労働省)は適正で安全な輸血治療の普及におおいに貢献した.近年は宗教的輸血拒否,危機的出血,産科危機的出血,末梢血幹細胞アフェレーシス,院内血液製剤の製造基準など,関連する臨床学会との連携のもとに,医学の進歩を安全に院内に導入できるガイドライン類を作成・公表している.さらに,輸血と細胞治療にかかわる医療スタッフ教育研修には関係団体と学会の協力を得て,認定輸血検査技師(1998)を皮切りに,自己血輸血看護師,(臨床)輸血看護師,アフェレーシスナース制度が 2010 年からスタートする.
血液センターへの輸血副作用報告―非溶血性輸血副作用と輸血感染症の情報の実態
要旨: 日本赤十字社血液センターのヘモビジランスシステムでは,臨床医より輸血による副作用と輸血感染症の報告を受け,患者検体や献血者の保管検体を用いてその原因を分析している.溶血性副作用の報告数は少ないが,発熱,アナフィラキシーを含めたアレルギー性副作用,輸血関連急性肺障害,血圧低下,移植片対宿主病などの中等症または重症例の報告が蓄積されており,現在の日本での輸血医療の実態を概観できる.輸血感染症には B 型肝炎,C 型肝炎,E 型肝炎,HIV 感染,ヒトパルボウイルス B19 感染などがある.輸血後 B 型肝炎を根絶することはなかなか困難である.C 型肝炎と HIV 感染は非常にまれである.E 型肝炎やヒトパルボウイルス B19 感染症は,症例が見逃されている可能性がある.いずれにしても,輸血前後の患者検体の保管が原因究明のために必須である.また,輸血による細菌感染症の特定のためには,輸血された製剤の適切な保管が必須である.
自己血外来
要旨: 現在,もっとも安全とされる自己血輸血の安全性が真に確保されているかについて,慎重に考える必要がある.採血(献血),検査,処理,供給のすべての工程が赤十字血液センターで実施されており,高い安全性が確保されている同種血輸血に対して,自己血輸血は中小規模から大規模病院までさまざまな施設において実施されている.そこで重要なことは,自己血輸血のためのシステムが導入され,自己血輸血の計画,採血,処理,管理,供給のすべての工程が専門性の高い輸血部スタッフによって実施されているかである.東大病院では,安全かつ適切な自己血輸血の実施をめざして“自己血外来”を設置し,すべての工程をシステム化し,スタッフの教育,役割分担によって自己血輸血の普及に努めている.しかし,自己血輸血を確実なものにするためにはまだ残された課題も多々あり,これらの対策を検討していく必要がある.

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