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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2024/8/20 ━━━━━
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┃┏「スマートサイテーション」と「サイトスコア」で分かる引用評価ー [3分で分かるsciteシリーズ Vol.2]
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前回は、sciteを使えば、研究内容に関連する検索で見つけた参考文献候補のどれを優先して
読むべきかについては、見つけた文献がどのように引用評価されているかを見ることも判断の
一助となることをお伝えいたしました。
今回は、その引用評価がどのように行われるかについて説明をいたします。
<スマートサイテーション>
sciteは、見つけた文献の引用数だけではなく、見つけた文献を引用先の文献内で引用されている
箇所とその前後の文脈を示し、
その引用が同意や支持する引用か、
単に触れているだけの引用か、
対照的な結果となったことを示す引用か
を示すことで、引用内容の評価を表してくれます。
このような引用内容評価を「スマートサイテーション」と呼び、AIが引用箇所の文脈を分析して
表示します。
例えば、
繰り返しになりますが、Aという論文を見つけた場合、そのAを引用しているBという論文の中で、
Aがどのように引用評価されているかを引用箇所の表示やその前後の文脈で示します。
下記で事例を見てみましょう。
例)
見つけた論文(A)
How economic growth, renewable electricity and natural resources contribute to CO2 emissions?
Energy Policy Volume 113, February 2018, Pages 356-367 DOI: 10.1016/j.enpol.2017.10.050
Daniel Balsalobre‐Lorente1, Muhammad Shahbaz2, David Roubaud3, Sahbi Farhani4
この論文を引用した論文(B)
Does financial inclusion limit carbon dioxide emissions? Analyzing the role of globalization and renewable electricity output
Sustainable Development Volume29, Issue6 November/December 2021, Pages 1138-1154 DOI: 10.1002/sd.2208
BがAをどのように引用しているか(scite内での表示)
sciteの中では、下記のように表示されます。
“…Thus, the findings in this study infer that it is imperative for the E7 nations to phase-out their traditional fossil fuel dependency
in order to ensure environmental welfare. Similar findings were revealed in the studies by Belaid and Youssef (2017) and
Balsalobre-Lorente et al (2018) for Algeria and five EU nations, respectively.…”
Section: Results supporting confidence: 90%
・scite内での引用部分を見てみると、Bの著者は自身の論文の中で、
Thus, the findings in this study infer that it is imperative for the E7 nations to phase-out their traditional fossil fuel dependency in order to ensure environmental welfare.
と記載しており、その文章の後に
Similar findings were revealed in the studies by Belaid and Youssef (2017) and Balsalobre-Lorente et al (2018) for Algeria and five EU nations
と記載して、Aの論文(Balsalobre-Lorente et al (2018) )らの研究と一致したとして、
Aの論文に同意(supporting)している部分が抜粋表示されています。
supporting confidence: 90%
・さらに論文のどの部分(セクション)で引用されているかを示してくれます。
Section: Results
Bの論文では結論部分にAの論文を引用していることが分かります。
以上が、スマートサイテーションと呼ばれるsciteでの引用内容評価機能の事例です。
なお、引用先の論文に自己引用をした場合は、スマートサイテーションに「Self Cite」と表示されます。
また、後日に撤回された論文には「Retraction Article」と表示されます。
ところでこの事例では、引用評価として「 supporting」と記載されていましたが、
どのように引用されているかの表示は下記の指標で示されます。
Supporting : 引用元の文献内容に同意または肯定的な引用を行なっている場合
Mentioning : 引用文献を意見や例の紹介など評価を伴わずに引用している場合
Contrasting : 異なった見解や対照的な結果となったことを述べるために引用している場合
Unclassified : 引用内容の判別が難しい引用
<サイトスコア>
サイトスコアは、引用されている文献の総引用数、Supporting引用数、Mentioning引用数、
Constrasting引用数、Unclassified引用数を一目で分かるようにアイコンで表示する仕組みです。
<ブラウザーエクステンション>
PubMed、Google Scholar、arXiv、出版社サイトなどで文献情報(書誌)を見つけると、ブラウザの
拡張機能が働いて、サイトスコアを表示するアドオン機能です。
この機能は大変便利で、書誌事項の横にすぐに反映されて表示されるので、特別な操作は必要ありません。
以上、sciteを使うことで
・参考にしたい、引用したい論文が他でどのように評価されているか(引用されているか)分かります
・また、探した論文でどの論文が一番評価の高い引用がされているかが分かります
・さらに、自分の発表した論文、会社や研究機関の製品・研究結果を掲載した論文が
どのように評価されているかも分かります
ぜひ、トライアルでsciteのスマートサイテーションを体験ください。
また、ご要望がございましたら、いつでもオンラインでのご説明やご紹介を致します。
次回は、sciteを使った所属機関、投稿先雑誌、著者の引用評価分析についてご紹介いたします。
参考リソース:
スマートサイテーション、サイトスコア、ブラウザエクステンションについて
https://www.sunmedia.co.jp/scite/
スマートサイテーションの仕組みの解説(英文)
https://direct.mit.edu/qss/article/2/3/882/102990/scite-A-smart-citation-index-that-displays-the
sciteについてのお問合せはe-port@sunmedia.co.jp までお気軽にご連絡ください。
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前回は、sciteを使えば、研究内容に関連する検索で見つけた参考文献候補のどれを優先して
読むべきかについては、見つけた文献がどのように引用評価されているかを見ることも判断の
一助となることをお伝えいたしました。
今回は、その引用評価がどのように行われるかについて説明をいたします。
<スマートサイテーション>
sciteは、見つけた文献の引用数だけではなく、見つけた文献を引用先の文献内で引用されている
箇所とその前後の文脈を示し、
その引用が同意や支持する引用か、
単に触れているだけの引用か、
対照的な結果となったことを示す引用か
を示すことで、引用内容の評価を表してくれます。
このような引用内容評価を「スマートサイテーション」と呼び、AIが引用箇所の文脈を分析して
表示します。
例えば、
繰り返しになりますが、Aという論文を見つけた場合、そのAを引用しているBという論文の中で、
Aがどのように引用評価されているかを引用箇所の表示やその前後の文脈で示します。
下記で事例を見てみましょう。
例)
見つけた論文(A)
How economic growth, renewable electricity and natural resources contribute to CO2 emissions?
Energy Policy Volume 113, February 2018, Pages 356-367 DOI: 10.1016/j.enpol.2017.10.050
Daniel Balsalobre‐Lorente1, Muhammad Shahbaz2, David Roubaud3, Sahbi Farhani4
この論文を引用した論文(B)
Does financial inclusion limit carbon dioxide emissions? Analyzing the role of globalization and renewable electricity output
Sustainable Development Volume29, Issue6 November/December 2021, Pages 1138-1154 DOI: 10.1002/sd.2208
BがAをどのように引用しているか(scite内での表示)
sciteの中では、下記のように表示されます。
“…Thus, the findings in this study infer that it is imperative for the E7 nations to phase-out their traditional fossil fuel dependency
in order to ensure environmental welfare. Similar findings were revealed in the studies by Belaid and Youssef (2017) and
Balsalobre-Lorente et al (2018) for Algeria and five EU nations, respectively.…”
Section: Results supporting confidence: 90%
・scite内での引用部分を見てみると、Bの著者は自身の論文の中で、
Thus, the findings in this study infer that it is imperative for the E7 nations to phase-out their traditional fossil fuel dependency in order to ensure environmental welfare.
と記載しており、その文章の後に
Similar findings were revealed in the studies by Belaid and Youssef (2017) and Balsalobre-Lorente et al (2018) for Algeria and five EU nations
と記載して、Aの論文(Balsalobre-Lorente et al (2018) )らの研究と一致したとして、
Aの論文に同意(supporting)している部分が抜粋表示されています。
supporting confidence: 90%
・さらに論文のどの部分(セクション)で引用されているかを示してくれます。
Section: Results
Bの論文では結論部分にAの論文を引用していることが分かります。
以上が、スマートサイテーションと呼ばれるsciteでの引用内容評価機能の事例です。
なお、引用先の論文に自己引用をした場合は、スマートサイテーションに「Self Cite」と表示されます。
また、後日に撤回された論文には「Retraction Article」と表示されます。
ところでこの事例では、引用評価として「 supporting」と記載されていましたが、
どのように引用されているかの表示は下記の指標で示されます。
Supporting : 引用元の文献内容に同意または肯定的な引用を行なっている場合
Mentioning : 引用文献を意見や例の紹介など評価を伴わずに引用している場合
Contrasting : 異なった見解や対照的な結果となったことを述べるために引用している場合
Unclassified : 引用内容の判別が難しい引用
<サイトスコア>
サイトスコアは、引用されている文献の総引用数、Supporting引用数、Mentioning引用数、
Constrasting引用数、Unclassified引用数を一目で分かるようにアイコンで表示する仕組みです。
<ブラウザーエクステンション>
PubMed、Google Scholar、arXiv、出版社サイトなどで文献情報(書誌)を見つけると、ブラウザの
拡張機能が働いて、サイトスコアを表示するアドオン機能です。
この機能は大変便利で、書誌事項の横にすぐに反映されて表示されるので、特別な操作は必要ありません。
以上、sciteを使うことで
・参考にしたい、引用したい論文が他でどのように評価されているか(引用されているか)分かります
・また、探した論文でどの論文が一番評価の高い引用がされているかが分かります
・さらに、自分の発表した論文、会社や研究機関の製品・研究結果を掲載した論文が
どのように評価されているかも分かります
ぜひ、トライアルでsciteのスマートサイテーションを体験ください。
また、ご要望がございましたら、いつでもオンラインでのご説明やご紹介を致します。
次回は、sciteを使った所属機関、投稿先雑誌、著者の引用評価分析についてご紹介いたします。
参考リソース:
スマートサイテーション、サイトスコア、ブラウザエクステンションについて
https://www.sunmedia.co.jp/scite/
スマートサイテーションの仕組みの解説(英文)
https://direct.mit.edu/qss/article/2/3/882/102990/scite-A-smart-citation-index-that-displays-the
sciteについてのお問合せはe-port@sunmedia.co.jp までお気軽にご連絡ください。