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サンメディアCCS フラッシュ (No. 029) 著作権に関するトピック AIと著作権、引用内容分析サービス《scite》のご紹介

こんにちは。株式会社サンメディア CCS権利処理推進室です。

平素より著作権許諾申請代行サービスをご利用いただきまして、誠にありがとう
ございます。

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このメールは、これまでに弊社サービスをご利用またはお問い合わせいただいた
お客様宛に送信しております。今後メールが不要な方、また宛先の変更がある方
はお手数ですが変更・ 配信停止のご連絡をお願いいたします。
(詳細は文末をご覧ください)
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サンメディアCCS フラッシュ029では、以下の情報をお届けいたします。

 ● 令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」の講演映像及び講演資料公開(文化庁)のご案内
 ● 著作権に関するトピック AIと著作権 
 ● 引用内容分析サービス《scite》のご紹介

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【1】令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」の講演映像及び講演資料公開(文化庁)のご案内
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2023年6月19日にオンラインで開催された、
令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」の講演映像及び講演資料が
現在、文化庁 ホームページで公開されています。

本セミナーは、第1部「著作権制度の概要」と第2部「AIと著作権」の
2部構成となっています。いま注目を集めているAIと著作権をどのように
捉えるのか、基本的な枠組みがわかりやすく解説されています。

▼令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」の講演映像及び講演資料(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/93903601.html


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【2】著作権に関するトピック AIと著作権
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AIと著作権について考える上で大切なことは著作権制度を理解することです。
前回は、その中でも最も基本となる「著作物」とは何かについて取り上げました。
今回も引き続き、文化庁の著作権セミナーをもとに「AIと著作権」について
取り上げます。

AIと著作権が関係する場面には、いくつかの異なる段階があり、
段階ごとに検討することが必要があるとされています。
「AI開発・学習段階」と「生成・利用段階」では、行われている著作物の
利用行為が異なり、関係する著作権法の条文も異なるため、
現在、この二段階に分けて議論・検討されています。

1.開発・学習段階
●著作物を学習用データとして収集・複製し、学習用データセットを作成
●学習用データセットを学習に利用して、AI(学習済みモデル)を開発

2.生成・利用段階
●AIを利用して画像等を生成
●生成した画像等をアップロードして公表、生成した画像等の複製物(イラスト集など)を販売

今回は、「1.開発・学習段階」について見てみましょう。

疑問:
AI学習のため収集・蓄積しているデータの中には、著作物が含まれているが、
著作物をAIの学習用データとして収集・複製することは著作権侵害にあたらないのか。

回答:
著作物をAIの学習用データとして収集・複製することは、
権利制限規定があるため、著作権侵害にはなりません。

解説:
「入力の段階では著作物の表現を享受しない利用であると考えられ、
著作権者への不利益は通常生じないと考えられる」との検討がなされ、
情報解析の用に供する目的で著作物を利用する場合など、
「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」については、
平成30年の著作権法改正により、柔軟な権利制限規定が設けられることとなりました
(法第30条の4)。

ただし、主たる目的は、情報解析の用に供する場合のような非享受目的であるものの、
これに加えて享受する目的が併存しているような場合は、
このような利用行為には本条は適用されません。

また、「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」は、
本条の規定の対象とはなりません。

「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」とは、
著作権者の著作物の利用市場と衝突するか、あるいは
将来における著作物の潜在的販路を阻害するかという観点から、
最終的には司法の場で個別具体的に判断されます。

次回は、AI著作物の「生成・利用段階」について取り上げます。


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【3】引用内容分析サービス《scite》のご紹介
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<研究をされていて、このような場面はございませんか?>
・研究や調査に関連する論文が多すぎて読み切れない
・研究テーマや漠然としたアイデアについて関連する情報を補うために素早く調べたい
・自分が発表した論文の影響を効率的にモニタリングしたい

学術論文を対象にしてAIを使用した引用内容分析サービスであるsciteを
ご利用いただくと、発見した文献の評価をscite独自のスコアと
引用箇所前後の文章の抽出から知ることができるので、例えば以下のことが可能です。

・研究に関連する論文を読んだり、論文の影響を調査するための時間の節約
・不適切な研究内容に依拠して自身の研究を進めてしまうことを防ぐ

<主な機能>
 ■ スマートサイテーション

 scite内で検索すると、検索結果に表示された論文が、どのように他の論文に
 引用・評価されているかを、「スマートサイテーション」という機能によって、
 一目でわかる分類とスコアで表示されます。

 「スマートサイテーション」は、ある論文が「どのくらいの数の論文で
 引用されているのか」だけでなく、「どのように引用・評価されているのか」
 を独自のスコアで示します。また、その引用箇所の前後の文章を抽出し、
 「どのような文脈で該当の論文が引用されているか」を示します。

 このスマートサイテーションの機能は、論文評価だけではなく
 ジャーナル、研究者、研究機関、研究助成機関の評価を確認したり、
 研究テーマのリサーチにも役立てて頂けます。

 ■ Assistant by scite

 ChatGPTのように対話型で質問や検索ができるサービスです。
 回答は学術論文を根拠として作成され、回答の根拠となる引用元の論文を
 参照できます。
 そのため、アイデアの検証や研究分野の動向の把握を素早く適切に情報収集
 することが可能です。

 上記以外にも、研究をされる場面でご活用いただける機能がございます。

 ・scite Browser Extension:PubMedやGoogle Scholar、arXivなどの検索結果にsciteのスコアを表示します。
 ・Reference Check:論文のPDFをドラッグ&ドロップすると、その論文の参考文献がスマートサイテーションの対象として引用内容の分析を確認できます。
 ・Custom Dashboard:論文をグルーピングし引用傾向の確認や新たな引用がされた際にお知らせをする機能です。
 
scite ご紹介ページ
https://www.sunmedia.co.jp/scite/

<デモサイトを用いたご説明について>
ご説明をご希望の際は
お気軽に e-port@sunmedia.co.jp までお問い合わせください。

 



*著作権および別刷に関するお問合せフォームはこちら
https://www.sunmedia.co.jp/ccs-contact/

*「転載許諾申請 見積依頼フォーム」からご依頼いただけます。
https://www.sunmedia.co.jp/ccs-tensaikyodaku-form/
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*編集後記*
9月に入っても暑い日が続きますが、日の入りが早くなってきたことや
虫の鳴き声の変化から、少しずつ秋を感じるようにもなりました。
夏はなかなか聞こえなかった野鳥の声も
最近はよく聞こえるようになってきた気がします。
これからの季節のバードウォッチングが今から楽しみです。(Y・S)
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最後までお読みいただき誠にありがとうございます。


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